朱月流 倉津正敏(B-HOUSE)のディスカス講座
・第1章 初めてのディスカス飼育 (倉津正敏的方法)
     
1、朱月流ディスカスの水槽セッティング
 熱帯魚の王様と称されるディスカスには多くの飼育本があります。代表的なものとしては「ワットレイの秘密」や「シュミットフォッケのディスカスブック」などがあります。しかしながら、それらの飼育法は共通的なものではなく、色々な本を読めば読むほど、どの方法が自分に適しているのかが疑問となります。さらに最近のインターネットの発展に伴い、多くのBLOG情報も加わり、どうやって飼育したらよいのかが解らなくなるケースが増えているように思えます。

 そこで今回、初めてディスカスの幼魚を購入して頂いたという設定で私のセッティング(私のお店でお客様に教えている)をご紹介いたします。

 
 まず準備していただくのは60cmのスタンダード水槽セットです。ディスカスはヒーターを酷使するため、オートヒーターやサーモとヒーターの一体型のものは避けましょう。また、ディスカスは明るすぎることに慣れていないため、明るいバックスクリーンの場合、1灯ライトでかまいません。(もちろん2灯ライトでも可)

 ディスカスの飼育事故の最も多いのが、ヒーターとサーモスタットのトラブルです。信頼性の高いものを選びましょう。サーモスタットは300W以上のヒーターが接続できるものを選びましょう。また、500wタイプなどではヒーター差込口が2つ付いている物があります。この場合はヒーターのワット数を落とし2本のヒーターを使います。1本が切れてももう1本が作動しているのでより安全に飼育できます。しかし、この場合は時々ヒーターが切れていないか確認する必要があります。通常はヒーターを1本ずつ差し、サーモスタットのパイロットランプで確認をします。パイロットランプの付いているヒーターを使用すると常時確認しやすく便利です。

 ディスカスの飼育は小さな水槽の割りに多くの餌を与えます。そこで濾過槽が痛むことを防止してくれるのがスポンジフィルターのスポンジです。あまり目が細かいものはモーターの故障や水流の低下の原因となります。私の場合、「テトラP-1,P-2用替スポンジ」を使用します。

 水槽にバックスクリーンを貼ります。今回は白のカッティングシートを使用しました。カッティングシートを貼るのは多少面倒ですが、バックスクリーンと水槽の間にゴミや虫が入る事が無いだけでなく、ガラスの保護にも役立ちます。

 左の写真は濾過槽のセットの中身です。今回はウールマット・ストレーナー・配水エルボーは使用しません。

     
 さて、いよいよセッティンクです。ここで最も重要なことが濾過槽の中身です。濾過材やバクテリアは各社多くの商品が販売されています。しかしながら、私が使用しているのはウールのみです。それではその方法をご紹介いたします。
     

 まず、ウールを写真(左)位の量取り出します。それを丸めると写真(右)のようになります。これを濾過槽に入るだけ作ります。それをすべてビニール袋に入れます。

 次にバクテリアです。飼育水槽の濾過槽からウール(写真下)を少し取り出し、ビニール袋へと入れます。そして袋の中で均等に色がつくように揉み解します。それを濾過槽に入れて濾過槽の完成です。

 飼育水槽のウール

 私は、水槽の立ち上げるお客様が希望される場合は購入されるディスカスの入っている水槽のウールを差し上げています。片寄ったバクテリアではなく、色々なバクテリアや原性動物などがバランス良く生息することが良い水作りの秘訣なのです。また、このウールは生臭くなく、むしろ香ばしいです。この香りはこの水で育ったディスカス達にとって、きっと「懐かしい香り」だと思います。

     

 濾過槽が決まった所で、その他の部品チェックです。

 まずはサーモスタット。このタイプのように簡単にダイヤルが回るものは写真(左)のようにテープを貼りましょう。この場合、テープの糊がサーモスタットに付き難い物を選びましょう。また、サーモスタットのセンサー部分とヒーターとは写真(右)のようにまとめておきましょう。水換えの時などにセンサー部分が水槽から出て大切なディスカスを煮てしまうことを防止できます。水温の設定は基本は28℃です。幼魚の場合、やや高くても良いでしょう。

 上部フィルターの給水パイプにスポンジを直接差し込みます。この場合、少しだけ差し込むことがポイントです。奥まで差し込むとスポンジの目詰まりが早くなります。パイプ部分に大きな穴出来るだけ開ける加工をし、奥まで差し込むのも有効です。

 ディスカスの水質

 ディスカスの飼育するための水は基本的にはph7,0前後の軟水であれば普通に飼育できます。参考までに、私の使用している水道水はph 6,8前後、導電率120μg(季節によりかなり変動します。)です。

 

 エアーストーンを入れてセット完了です。私はスポンジフィルターでなくエアーストーンを使用します。ストーンは必ず水槽の底まで届くようにしてください。また、ストレーナーは上過ぎると良くありません。なるべく下の方の水を吸うようにしましょう。ただし、ストレーナーと水槽底面との間はディスカスが餌を取れるくらいは間を空けましょう。これで準備は完了です。購入したディスカスを水槽に投入します。ここでは2つの方法を紹介いたします。Aは比較的近隣のお客様でお持ち帰りされた場合などに行ないます。Bは発送のお客様などに行う方法です。

 方法A

 水槽の水を減らし、水槽に魚を浮かべます。15分位して水温が同じになったところで袋をカッター(油を取り除いたもの)で縦に切ります。しばらくすると水槽の水と袋の中の水が混ざり合わされます。ディスカス達を袋から出して下さい。途中、自分から袋から出る個体もいますが問題ありません。

 ただし、この方法は私が作出するディスカスのように水換えに強い個体の場合です。

     

 方法B

 プラケースやバケツなどの容器を用意し、袋内の水と共に容器に入れます。容器は袋の中の水の10倍くらい入る物を使用します。多量の魚を一度に水あわせする時は袋内の水を捨てて量を調整しましょう。この方法は水温をあわせる必要はありません。次に、飼育予定の水槽からエアーチューブで容器に水を流します。この時、エアーチューブの先を高くし、エアーが入りやすくします。エアーを別に入れるのも良いでしょう。水が容器に溜まった所で、ディスカスのみをネットで掬い水槽へと移します。

 袋内の水がひどく痛んでいたら・・。

袋 内の水質が傷み、ディスカスがひどくダメージを受けていた時には袋内の水を少なくし、エアーチューブの本数を増やすなどして入る水量を増やし、速やかに水合わせを行ないます。飼育水の調整などがしっかりとされている場合は、ダイレクトに魚のみを取り出し飼育水槽に入れることもあります。この場合、飼育水槽の水温をあらかじめ想定した袋内の水温に合わせておくことや、PHが下がりすぎていないか確認しておくことなどが重要です。とにかく、状態の良い水にダメージ少なく、早く入れてあげることが大切です。

 注!PHの低い水槽(PH5,0など)への魚の移動は普段でも行なわないようにしましょう。網のすれ傷など粘膜が痛んだ状態での酸性の強い水は大切なディスカスを危険にさらします。

 今回セッティングした水槽にディスカスを入れ終わりました。みんな元気に泳いでいます。次回はこの水槽を使って管理の仕方をご説明いたします。

 ディスカスを元気に飼育する秘訣として良いショップと付き合う事・良く管理された強いディスカスを購入する事がとても重要です。今回の方法はお店の水やバクテリアが信頼できる状態での話です。特に初めてディスカスを飼育しようと考える方は信頼できるお店を見つけることが楽しいディスカスライフへの近道です。

倉津  
     
今月のディスカス